Nonogatari

5歳、おめでとう。

2024.09.10

 

5歳のお誕生日。
笑顔でこの日を迎えられたこと、
どれだけ幸せなことでしょうか!

一緒にブルーベリータルトを作って、ささやかにお祝いを。

 

 

華やかなパーティーではなかったけれど、毎日の積み重ねに小さな幸せが沢山あることをしっかり実感できた時間でした。

 

 

思い返すと、なかなかハードな4歳までを過ごしました。母と子で大バトルしたり、保育園に行く行かないでお互いに泣きじゃくったり、夜寝ない朝起きないで途方に暮れたり、「歩きたくないタクシー乗る!」の一点張りに「いい加減にしてよ!!」と母路上で叫んだり、お風呂に入らないと言い張る息子を絨毯にくるんで投げ飛ばしたり、、、。(え?)
などなど、恥ずかしい光景が蘇ります。

自分の身体から生まれ出て来た一人の小さな人間との距離感がなかなか掴めないまま、似た者同士の私たちはいつもぶつかりあっていました。
私は視野がとっても狭かったし、いつも焦っていた。お仕事をして家事をして子どもと生活をして、となると、要領の悪い私はますます頭も心もこんがらがって、色々見失っていました。私は未熟でした。

 

 


 

 

これではいけないと思って、昨年の秋に一大決心。
環境をガラッと変えました。

思い入れのある保育園から、シンプルな生活を営む幼稚園への転園。あらゆる面で大きな変化を伴うので、かなり深く考えての決断でした。

そして自分自身がゆとりをもって子どもに向き合える態勢をつくりました。

また、家の中からキャラクターものなどプラスチック系のおもちゃを完全撤収。テレビも手放し、YouTubeもやめました。

大好きだったアンパンマンに関連するものは、本人同意のもと「あんぱんまん」というタイトルの(1976年に発行された初期の頃のもの)大切な絵本と、唯一お料理する時間だけは平和だった私たち親子の思い出のアンパンマンエプロンだけを残して、その他の全てのグッズは私の妹の家に引き取ってもらいました。(姪は大喜びしてくれました)

思い返せば、毎日アンパンマンやカレーパンマンの姿に扮して保育園に通っていた姿は、最初の頃は「え!?今日なにかイベントありましたっけ?」と周囲の人からよく聞かれたものですが「これ普段着なんですよ〜」と返事しているうちに、みんな見慣れた光景に。参観日、子どもたちが楽しそうに歌って踊るなか、かったるそうなアンパンマンが床に寝そべってぼーっとしている姿を見ても、私はもう、驚くこともありませんでした。保育園ではそんな姿を見せていましたが、家ではアンパンマンミュージックを大音量でならし、懐中電灯で自分を照らしてスポットライト風の演出、大汗をかきながら歌って踊るという激しく情熱的な日々。よくやるなぁと感心し、応援していたものです。

そんな日々に一旦終止符を打ち、生活をリセットするのですから、本人にとってはさぞ大きな変化だろう。果たして乗り越えられるのか・・・と私は内心とても心配しながら、でも大きな確信と覚悟を持って、一緒に、次の世界の扉を開けたのです。

 

結果。
彼は息を吹き返したように血色も良くなり、幼稚園に登園することを毎日とても楽しみにするようになりました。アンパンマンに扮していなくても、自分自身として真っ直ぐ堂々と立っていられるようになりました。おもちゃがなくなってガラーンとしたお部屋でも、生活で使っている物を巧みに組み合わせて色んな遊びを生み出したり、絵を描いたり、飽きることなく過ごせるようになりました。毎日ちゃんとお風呂に入って(!)早寝早起きができるようになりました。晴れの日も雨の日も、長い距離をたくましく歩けるようになりました。野菜も沢山食べられるようになりました。
何より、屈託のない笑顔が沢山見られるようになりました。

 

大きな変化でした。

私たち親子はこれまでの日々を体当たりしてぶつかり合いながら、やりきりました。
だから何の悔いもなく、さぁ次の世界へ!とチャレンジできたのだと思います。

アンパンマンは、不安定な息子の心を、大きく優しく支えてくれました。
4歳の息子に、キラキラ輝く彩りを与えてくれました。どれだけこの救世主の存在に助けられたことか。アンパンマンとその仲間たちに出会わせてくれたやなせたかしさんにも、本当に感謝しています。
このあいだ、街中でたまたま”アンパンマンのマーチ”という有名な音楽が流れてきた時に「これ、何の曲?」と言い放った息子には心底驚きましたが、おそらく心残りはないのだろうなと。そう解釈することにしました。

 

 

私たちは物質的にも精神的にも、多くのものを手放しました。
ですが、とても大きなものを得られました。
しーんとした静けさ、生活の余白。
日々の小さな営みの波を感じて、クリアな感覚も持てるようになった気がします。

 

 


 

次男が誕生するまでの5年間、色々なことがありましたが、この濃密な5年は私たち親子にとって必要な時間だったのかもしれません。だから次男はこのタイミングで舞い降りてきてくれたのかもしれないな〜と思ったり。

 

そんなこんなで、わくわくの5歳がスタートしました。

もちろん、親子揃って調子の良い日ばかりではないですし、「ゔあ〜〜、もうっ!!」と怒り爆発の日もあります。言葉にしてしまったらいけないような感情を抱く時もあります。次男(生後3ヶ月)に敵対心を抱いて、とんでもないワガママを言っている時なんかは、放心状態で時が過ぎるのをただただ待つ時もあります。それもこれもひっくるめて、この時間を楽しみ、母でいさせてもらえることに感謝したいと思います。

ここまで我々親子の歩んだ道を綴ってみましたが、何が良くて何が悪くて・・・というお話しではありません。それぞれの家庭にそれぞれの生き方があるわけで、あくまでひとつのパターンとしてさらっと読んでいただけたら幸いです。

 

次男も仲間入りした新構成の我が家は、(良い言い方をすれば)ドラマティックなことが沢山起こっています。書き残したいことも沢山あるのに、あっという間に過ぎてしまう日々。誕生を機に日記帳を新調したりしましたが、見事に空白です・・・笑

この文章も、書いては消して書いては消してを繰り返しているうちに、誕生日から1ヶ月が過ぎようとしています・・・まぁ、とにかくここまで書くことができて良かったです。謎の達成感に包まれています。

それではこのあたりで。
長文乱文、最後までお読みくださりありがとうございました。

 

SUMIKA