ただいま、故郷。
2024.11.13
こんにちは。
一気に寒さが押し寄せてきました。
皆様お変わりありませんか?
私は、慌ただしくもとても元気に過ごしています。
先日、私の故郷である京都府の久世郡久御山町へ帰りました。
いつもはお盆のお墓参りに帰るくらいですが、今回は特別。
町制70周年記念の大きなイベントに、なんとスペシャルゲストとして呼んでいただいたのです。
実はこれまでも何度か「久御山町のために力添えを・・・」とお声がけをいただいたことがあったのですが、その度に私は悩みに悩んだ末 “やっぱり今じゃない。もっと成功しないと自分は帰ってはいけないんだ、まだお役に立てる立場ではないんだ。”と勝手に結論づけていたのでした。
20代、次から次へと追われるようにドラマや舞台や海外ロケのお仕事に邁進していた頃は、故郷のために何ができるか考える余裕もなく、ただただ与えられたお仕事に体当たりするのみ。30代になって結婚し事務所を独立した頃から何か御恩返しのようなことができればと思いつつも、個性爆発男子との生活や、オンラインサロンや商品の開発など新しい刺激的な景色に触れるたびに、第二の青春のようでもありながら自分の力不足や不甲斐なさにも直面し、もっともっと頑張らなくてはと自分を奮い立たせる日々。余裕のかけらもなくなってしまいました。
そして、二人目の男の子が我が家に誕生した今。
不器用な私にとってパワー溢れる男子たちのお母さんという状況はどう考えても手一杯ではありながら、頭で悶々と考える暇もなく、本能や直感を頼りに日々を精一杯に生きている状況。
人生は短い。
今じゃなかったら、一体いつ・・・・?
このタイミングで故郷に戻れて良かったと思いました。
ちょっと遅かったかもしれないけど、今で良かったと思いました。
故郷久御山町のみなさんの期待に応えるようなパフォーマンスはできなかったかもしれませんが、温かく「おかえり!」と迎えてくださったことはとても嬉しかったですし、なにより生まれ育った自分の原点である場所にこうして戻って来られたことに、心から感謝の気持ちが溢れる時間でした。
お役に立てたら・・・なんていう考えはおこがましく、この場に立たせていただけることが、私自身にとってどれだけ学びが多くありがたい経験か!
ようやく、気づいた次第です。
当日は朝の8時半から、「歩くまち」イベントとして、参加者のみなさんとご一緒に久御山のまちの歴史を教えてもらったりしながら歩きました。
なんと、私が学生時代の通学ルートや、実家の周辺まで!
「あんたが小さい頃、お父さんと一緒に畑で葱を束ねてるところに、おっちゃん訪ねたことあるんやで!」
「宝塚いってた時やったけど休みで帰ってきてたんかな、その時も畑仕事してたな〜!」
「実はあんたの遠い親戚なんやで〜!」
などなど、ありがたいことに幼い頃の私を知ってくださっている方も沢山。
思いがけず父の思い出話も沢山聞けて、胸が熱くなりました。
少し話が逸れますが、懐かしい写真をせっかくなので載せてみようかなと。
宝塚現役時代、トップ娘役に就任した際に、父と一緒に久御山町役場へ町長さんにご挨拶をしに伺った写真が残っていました。
見てください、この嬉しそうな顔 (笑)
いつもは泥だらけの服で汗水たらして畑仕事をしているのに、この時ばかりはピシッとスーツを着ています。隣の私も、なんだかこの瞬間がとても嬉しかったことを覚えています。この3年後には、父は旅立ったのでした。
さて、晴れやかな朝のウォーキング風景に戻ります。
大勢の参加者のなかに、なんと町長さんも!
町民の方と繋がりが深く親近感がある存在が印象的でした。
実家の氏神さまでもある「玉田神社」様にもみんなで訪れました。
初めて伺う神社の歴史もあり、良い時間でした。
写真右側にも映っていますが、世界選手権女子マラソン銅メダリストの福士加代子さんとご一緒にみんなで歩くことが出来たんです。とっても気さくでお話し上手の楽しい福士さんでしたが、一流のアスリートとしての迫力を間近で感じさせていただけた貴重な機会でした。
ところかわって
久御山中央公園という大きな会場にて、あらためて開会式を。
前日は警報が出るほど大雨で、どうなることかとヒヤヒヤでしたが
こんなに晴れやかな朝を迎えられて本当に良かったです。
ウォーキングから急ぎ足でそのまま壇上へ。
町長さんが「え?僕このままの服装で壇上に上がるの〜!?」と言いながら勢いのままに登壇される姿も、なんとも朗らかな地域だなあと。
「町民のみんなで70周年をお祝いしよう」という趣旨のとおり、町民のみなさんが所属される様々なサークルの出し物があったり、マルシェがあったり、キッチンカーも出たり、地元の消防団や自衛隊のみなさんの出し物もあり、盛りだくさんの大盛況。あらたに開設予定の施設のロゴマークも発表されました。
そして私の出番は、町長さんとのトーク、そしてミニミニライブ。
「みんながよく知っている曲で」というオーダーのもと、どんな曲にしようかと沢山考えました。
決めたのは、kiroroさんの『未来へ』。
この曲は卒業式などでもよく歌われたりする曲で、”母への感謝”や、”未来への道”を想い起こす歌詞がありますが、私にとっては”故郷の歌”のように感じていました。母、そして自分を大きく包み込んでくれる父や家族の存在があり、決して綺麗事だけではない「家族」というものがあるからこそ、様々な原動力となり、一歩を踏み出す勇気をもらえました。その光景や感触は、久御山での思い出そのものです。聴いてくださるみなさんにもきっと家族があり、様々な立場からの想いで、心が動く歌詞があるのではないかと想像しました。また、久御山の掲げる『歩くまち くみやま』というコンセプトにも少し通ずるものがあるのではないかと思い、選ばせていただいた曲です。
その場で聴いてくれていた母に、どうだった?と聞いたら、「あれなに?緊張してたん?」とのひと言。歌を通して感謝の気持ちを伝えようと思ったのに、うまくいきませんでした(笑)
観に来てくれた親戚の人たちにも、「緊張したんか?」「3曲目くらいで勢いに乗ってくるんかと思ったら一曲しか歌わんのかい!」と言われました・・・(笑)
気を取り直して、地元の手話サークルのみなさんとも共演。
ジブリの『さんぽ』を手話つきで歌わせていただきました。
事前の打ち合わせのやりとりから、町のみなさんと交流を持てたことも良い経験でした。
以上、簡単なレポートとなりましたが、読んでくださったみなさまに雰囲気だけでもお伝えできていたら嬉しいです。
この日のために少しずつ準備してきた時間や、故郷にこうして戻って来られたこと。とても嬉しい時間でした。新たな一歩を踏み出す勇気までもらえた気がします。この経験を通して、次はどんな自分に出逢えるのでしょうか。
とりあえず、いつまたお声がかかっても良いように(予定は何もないけど)、歌をちょっとでも磨いておきたいと思います・・・!
sumika