Nonogatari

SUMIREとsumireno.についてご報告。

2023.04.27

 

みなさまこんにちは。
またまたご無沙汰してしまいました。

さて、早速ですが、
2020年9月にスタートしましたオンラインコミュニティ「SUMIRE」と日本各地のこだわりの野菜や果物を織り交ぜたスムージーを販売するショップ「sumireno.」は、この度2023年4月末日をもって終了させていただく運びとなりました。

昨年から相方の春風弥里さんの心身ともによる体調不良が続き、二人で活動を続けていくのが困難となりました。私一人で続けていくという方法もありましたが、やはり春風さんと一緒に始めたからこそ見えた景色、二人で取り組んだからこそ得られた貴重な経験を考えると、一旦ここで立ち止まり、これまでの積み重ねを自分なりに良いかたちに納めたいと想い、このタイミングで終了することといたしました。

これまで活動を気にかけて応援してくださいましたみなさま、sumireno.スムージーをお愉しみくださったみなさまに、心から感謝いたします。
ありがとうございました。

 

こうしてののがたりで発表する日が訪れるのが、とても怖かったです。
出来ることなら、何も言わずに済むのなら・・・とも思ってしまいました。

今の気持ちを、言葉にすることが難しくて
なかなかまとまらないのですが

ひとつだけ言えることは・・・
すべて自分で選択して決めた道を歩いて来たので、何の悔いもありません。
自分がその時に納得して、時間と労力と魂を注ぎたいと思ったことに、全力で取り組んで来ました。5年後10年後の夢を見据えて活動してきたのにも関わらず立ち止まってしまったのは、今の自分に足りないことが沢山あるから。それに気がつけたことだけでも、本当に大きな経験でした。
これからが学びのチャンスだと思っています。

 

今まであまりに駆け抜けて来てしまい、SUMIREと sumireno.についてなかなかじっくりとお話しできる機会がなかったので、少しだけどんなものだったかをお伝えしたいと思います。
ご興味のある方はお読みください。

 

 

 
「SUMIRE」は、数十名の小さなコミュニティではありましたが、活動するメンバー全員が本名でお顔を出してのやりとりで、そして受け身ではなくみんなが「笑顔プロデューサー」というユニークな役職を担い、びっくりするくらい濃厚な時間を過ごして来ました。月に一度のオンラインでの”定例会”に加え、お誕生日月には誕生日の近いメンバー数人との”濃密会”でじっくり話しをする時間があったり、スムージーチームのメンバーは一緒にsumireno.の仕組みやサービスを考えたり、衣食住についての学びを深めるコンテンツをみんなで作ったり、SDGsについての勉強会や、健康を考える勉強会など、講師の方々をゲストにお迎えしたりと、振り返ってみれば本当に盛り沢山でした。「すみれ日和」という交換ノートもあって、表紙・裏表紙・中ページもすべてオーダーメイドの世界に一冊のノートに、くじ引きで順番を決めて手書きで綴っていくノートも、この時代からはかなり浮いた存在ではありましたが、温かみがあって私は大のお気に入りでした。また、春風さんはフロアバレエの講師としても活動しているので早朝からオンラインでみんなで身体を動かす”健やかライブ”というものがあったり、私は自分で作品を選出するところからはじめる手作りの”オーディオ劇場”というコンテンツで沢山の朗読作品も創作してきました。

 いっぽう、オンラインという電波を使った交流は、もどかしいことも沢山ありました。
画面越しでのコミュニケーションの難しさ、文字を使ったやりとりでの意思疎通の難しさ・・・直接会えたらどんなにいいだろうか、直接話せたらどんなにいいだろうかと沢山の課題を抱えながらも、みんながお互いのことを知ろうとし、敬意を持ちながら交流を続けて来ました。
でもある時、あれ?直接会っていなくても、繋がっている!と思った瞬間がありました。テレパシーのような、目の前にその人の存在があるような。
もがいたり苦しんだりもして来たけれど、いつの間にか想いが積み重なってできた絆は、とても強固なものになっていました。
人と人が関わることがどんどん希薄になっていきAIが担う役割もこれから益々増えて行くと思いますが、『本当に人の心が動く時』について考え続けることのできた、私にとって大切な大切なコミュニティです。

 

「sumireno.」は何度かののがたりで触れていますが、始めたきっかけはやはり、農家であった私の父が生前に追い求めてきた “本当に美味しい野菜を食べてもらいたい。若い人にも農業の魅力を知ってもらいたい。” そんな父のシンプルな想いが、私の背中を押してくれたような気がします。農家の娘としてできることはなんだろうかと考えた時に、お客さまの言葉や気持ちを、汗水垂らして毎日畑に向かう農家のみなさんに伝えたい。ということでした。ようやく完成して出来上がった「くるくるつながレター集」(名づけは私です笑)は、スムージーを飲んでくださった皆様からお送りいただいた手書きコメントの葉書を一冊の冊子にまとめたもので、農家のみなさま、加工業者のみなさまなどsumrieno.に関わってくださったみなさまにお届けしました。同時に事業終了のご報告もすることとなり言葉にならない想いで溢れていましたが、ある生産者さんから身に余るお言葉をいただいたので少し抜粋してここに載せさせていただきます。

「申し上げにくい内容にも関わらず、とてもご丁寧にご連絡くださり誠にありがとうございます。
御社との出逢いがまさにフラッシュバックしました。最初から最後まで、誠意を込めて弊社とのご対応をして頂き、心より感謝申し上げます。
・・・・・・
お二人の文章から、胸のうちが連想できます。
心からの敬意を表したいと思います。
こんな小さな会社の私たちの製品をお取り扱い頂き誠にありがとうございました。」

今まで芸事に邁進してきた私たちが、初めてものづくりの世界に足を踏み入れた時に感じた凄みのある空気に圧倒され、手も足もでない瞬間もあり、関わってくださる方への感謝の気持ちだけで進んできてしまった部分もありましたが、人と人の温度のある繋がりを感じた時に本当に救われる想いがしました。

できなかったことも沢山ありましたが、自分たちが自分たちの手で挑戦してみたからこそ感じられたこと、経験できたことは、本当に沢山あります。
この経験を糧に、これからも一歩ずつ学びを深めながら、日々精進していきたいと思います。

 

長くなってしまいましたが、SUMIREとsumrieno.をこれまで気にかけて応援してくださいましたみなさま、本当にありがとうございました。

 

 

 

野々すみ花