観劇日記。[観世能楽堂]と[王子ホール]
2018.12.16
先日のお話しですが、銀座の観世能楽堂にて、『12月定期能』を拝見しました。
シャキッとした気持ちで行きたくて、お着物で。
素晴らしい瞬間を沢山感じ取ることが出来て、自分の1ミリの成長に少し嬉しくなりました。
仕舞と呼ばれる演目で、唄に合わせて何人かの方が素踊りをされるのですが、特に楽しんで拝見することができました。
隣のお席のおばさまに、「あなたお着物似合ってるわね。どこで着付け習ったの?何流?」と聞かれたのですが、どう見てもうまく着られているとは思えないグシャグシャぶりにとても恥ずかしくなって、半分目を逸らしながら「、、自分流です」と答えてしまいました。何流?とは、そういうことではないのでしょうが、、(笑)
上手に着られるようになりたいなとは思っていますが、それを待っているといつまで経っても出歩けないので、出向く場所や関わる方への敬意を持ちつつ、等身大の出来る範囲で、お着物の良さを自分も楽しめたら良いなと思います。
そして先日、王子ホールにて、<バロック・ライヴ劇場>たるものを拝見しました。
初めて訪れる場所だったのでウキウキドキドキと会場へ。よくうろついている銀座三越のすぐ裏に、銀座の華やかな賑わいからかタイムスリップしたような空間が突如現れました。
今まで足を運んだことのあるどの劇場とも違って、なんというか貴族の集まるサロンのような佇まい。でも私のような素人も穏やかに受け入れてくれる、とても居心地の良い場所でした。
演目は第9回公演<バロック・ライヴ劇場>でスペインの歌姫ラケル・アンドゥエサとラ・ガラニアという古楽アンサンブルのライヴ。
11月の能楽堂に出演した際にはバロック音楽に触れましたが、また全然違った音楽でした。
まず見たことのない楽器が登場。枇杷(ビワ)を縦に割って、そこにシナモンスティックを刺してそれを人間サイズにしたような(説明が下手ですみません)興味深い大きな楽器は、テオルボというもので16世紀末から使われるようになったリュートという楽器が原型になったものだそう。とても優しく深い音色がしました。バロックギターというものもとても穏やかな音色で、バイオリンと美しく響く太鼓なども登場しました。
そしてセンターに堂々と佇む歌手ラケル・アンドゥエサさんの軽やかな歌声。
真っ白でふわふわな棉が広がっているような世界で、音楽の中を行ったり来たりできる自由な空間があって、そしてその優しさの中に野生の動物の本能は見え隠れするような・・・。
全くうまく表現できなくてびっくりしますが気にしないことにします(笑)
まだまだ知らない世界がたくさんあるのだなあと。当たり前ですが。生きているうちに触れることができるのは、この世界に渦巻くあらゆる芸術のうちのほんの少しなのだと思うと、このご縁にとてもとても感謝したくなります。
自分ではなかなか足を運ぶきっかけがないようなものも、思いきって飛び込んでみると面白いものだなあと、思いました。
最近は、様々な場所へ出向き、人と交流することが増えてきました。
そういう時期は、自分の中になかなか巡ってこないので、大切に日々を過ごしたいと思います。
すみ花