Nonogatari

初めて能舞台に立ってみました。

2018.10.08

10月の始めに大盛況(!?)のうちに幕を閉じた『食料フォーラム2018』。

 

 少しばかりホッとした日々を過ごしてみたいと思いましたが、なんだかんだ言って、私は迫ってくるものに向かって全力でぶつかって、体当たりして、砕け散って行くことに慣れているし、そういう生活に生き甲斐を感じるちょっと危ない人間なのかもしれないと、最近、気づき始めている今日この頃・・・。

 

さて、前置きが長くなりました。

 

次回の11月1日に開催される公演に向けて、準備が進んでいます。


能とバロック。今秋、一度限りの出逢い。
「日仏宮廷恋愛模様」-はてさて 雅か 嫉妬の情念か!

【公演日】
11月1日(木)15:00開演(17:20終演予定)
【会場名】
観世能楽堂(中央区銀座6-10-1 GINZASIX地下3階)

【出演者】
武田宗和(能楽師・シテ方観世流)
西山まりえ(チェンバロ&ハープ演奏)
野々すみ花   ほか


 

 

 

 

先日、銀座の観世能楽堂に足を運び、下見をさせていただきました。

客席から観る能舞台と、能舞台に実際に立ってみた感覚は、予想以上に違いがありました。

 

 

 

写真ではわかりにくいですが、見上げた天井には、屋根があります。
室内のホールの中に、屋根があるのは不思議だなぁと以前から思っていたのですが、いざ、能舞台に立って見ると、なんだか目に見えない力に守られているような感覚をおぼえました。そして、声がよく響きました。

最初の計画では、マイクを使ってささやかに声量を支えてもらおうかと思っていたのですが、全く必要がなさそうです。

 

 

 

 

この空間の中で、第一部では音楽家の西山まりえさんが奏でるチェンバロとハープの演奏と、私の「語り」が入り混じって行くのです。

いえ、実は「語り」だけではなくなって来ています。
この空間をどう使うかは、私に任されました・・。

 

 

あぁ、また私はとんでもないことに挑戦するのか・・。

 

 

能楽堂で中世ヨーロッパの物語を上演する意味。
バロックと能がコラボレーションする意味。
文化庁・東京アート&ライブシティ構想実行委員会・日本芸能実演家団体協議会・観世会・王子ホール・・・沢山のおおきなチームが関わりあって主催・助成・協力という態勢のなか、まだまだ、少しでも多くの方にこの公演を知ってもらわなくては。という意味。
この作品に私が関わる意味。

悶々と考え続けています。

 

日本の伝統芸能を担って行きたいという想いはあるのに、自分の力不足は情けなくなりますが、同時に、与えられた空間を、これまで培ってきたものや経験の中から、はたまた一から生み出して行く作業を、精一杯楽しみたいと思います。ご一緒させていただく方々と共に、練り上げて行きます。
考えてみれば、こんな貴重な経験、本当にありがたいことですよね。

 

今までは、「役者(女優) 野々すみ花 」として、与えられたお仕事に集中して全うするのみでしたが、今は「野々すみ花事務局の局長」としての役割もあるので、これまであまり接することのなかった、制作、運営など様々な持ち場の方と関わることが多くなって来ました。こうすれば良いのではないかという私の意見は、複雑に絡み合って成り立っている社会の仕組みの中では、なかなか実現できないこともある、沢山の人数で形成されるチームは、足並みを揃えるために大きな力が必要なこともある、そういったことを31歳にして今更ですが、初めて学び、経験しています。
慣れないので驚くことも多いですが、知ることができて本当に良かったと思っているのです。
「社会」というものを知らなかったら(まだまだ知らないことばかりですが)、人の気持ちもわからなかっただろうし、好き勝手に奔放に振舞っていたかもしれない。

ありがたい経験です。

 

確実に、以前の私よりも、視野が15度くらい広くなり、いくつかの視点から物事に取り組むことができていると思います。
その分、芸事には集中して取り組めるようになりました。

そんな新しい野々すみ花の姿を、応援してくださっている皆様に観ていただきたいです。

 

平日のお忙しいさなかかと思いますが、11月1日(木)。ぜひとも、銀座までいらしてくださいませ。楽しんでいただけるよう、精進します。

お待ちしております。

 

 

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すみ花