Nonogatari

バカンスと呼ぶべきか。

2015.09.19

 

今週も劇場に通う日々。

『NINAGAWA・マクベス』
『タンゴ・冬の終わりに』
『赤坂大歌舞伎』

 

どれも素晴らしい時間を過ごすことができた。
『NINAGAWA・マクベス』は蜷川さんが30年前に創り上げた作品。先日観た『青い種子は太陽の中にある』とはまったくもって毛色が違って、上品でスマートで、なおかつ官能的だった。愛と憎しみ、生と死は隣り合わせで、なんだか曖昧。生きるとはこういうことかと思った。仏壇の中に生い茂る桜の景色は忘れられない。
『タンゴ・冬の終わりに』は清水邦夫さんの戯曲で、今回は行定勲さんの演出。これも30年ほど前から上演されている作品だけれど、自分の近くで起こっているような、というより自分の身に降りかかるような感覚で心がザワザワした。「ライムライト」や「カサブランカ」など演じたことのある人物が登場してびっくりした。もう一度観たい。観たい。
『赤坂大歌舞伎』中村勘九郎さんの「操り三番叟」、中村七之助さんの「お染の七役」。外国からの観光客になったつもりで音声ガイドイヤホンを耳にねじ込み、必死になって観た。聴いた。歌舞伎の早替わりはマジックショーのよう。客席で観るより、舞台裏に忍び込みたい。

 

 

夢中になって観た映画は

溝口健二監督の『祇園囃子』
木暮実千代さん、若尾文子さん、浪花千栄子さん・・・
それぞれの色香で、鼻血が出そうになった。

 

 

今読んでいるのは

カート・ヴォネガット・ジュニアの
『母なる夜』
一行読むだけで、その世界に引きずり込まれてしまう。
あぁ、面白い。

それから、アドラーの心理学
『嫌われる勇気』
心理学は、ちんぷんかんぷんの部類。
今まで避けて来たけれど、これはとても興味深かった。
(もうすぐ舞台化されるのだ。宝塚同期の愛加あゆが出演するのだ。この業界では鬼と呼ばれているらしい和田憲明さんの演出で。私は一昨年、その棍棒にしがみついた。痛かったけど、苦しかったけど、新たな景色が見えたんだ。先日稽古場を見学に行ったら、みんな闘っていた。。本番が楽しみ。)

 

 

ワクワクした展覧会は

ロバート・ハインデル展。
 バレリーナが、まるでそこで踊っているかのように描かれていて、音楽が鳴って、衣装の匂いがして、汗まで飛んで来るような。本当に美しい瞬間が、キャンバスにふっと置かれていた。

 

もうひとつ。

運転だって忘れてはいない。
目下レンタカーで練習中。
車がなくても生活できることはできる。。
でも、私にとっての車は、自分だけの空間であって、自分への戒めであって、欠けている平常心や協調性、集中力を取り戻すのにとっても良い味方だと思っている。
周りの人達にどれだけ反対されても、いつかは、いつかは、、、手に入れたいんだなぁ。

 

とにかく、充実した日々。

 

 

  バカンスと呼ぶべきか。

 

 

 

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sumika