無事に終了しました。
2018.11.02
昨日 11月1日。
東京 銀座のGINZA SIXの観世能楽堂 。
舞台を、無事に務めさせていただきました。
(終演後、皆様がお帰りになったあとのロビーにて。)
左から能楽師観世流 武田宗典 さん、西山まりえさん、野々すみ花、武田宗和さん。
見届けてくださったみなさま、遠くから応援してくださったみなさま、ありがとうございました。
お能とバロックという遠いもの同士の融合に感じていましたが、いざ、舞台に立ってみると、不思議なことに、能舞台の厳粛な空間が18世紀のフランス宮廷の世界に繋がったような気がしました。そして第二部になると、すっと何事もなかったかのようにお能の世界がそこにある不思議。良い意味で二つの文化が引き立ちあったのではないでしょうか。
能舞台に佇むチェンバロとハープは、西洋の風を吹かせ威厳と風格を保ちながらも、鏡板に描かれる「老松」にしっくりと馴染んでいるように感じました。
そして音楽家 西山まりえさんの演奏は、本当に凄かった。
チェンバロはピアノのように音のボリュームの変化がつかない楽器なのですが、強弱では表すことの出来ない、感覚としての「間」であったり、感覚としてのリズムや弾みで、どんな風にも音楽が変わるのです。リハーサルから何度も聴いて来ましたが、一度も同じ音楽に感じず、本番ではまた新しい音楽に感じました。うまく表現できませんが、音が一人歩きしないで、全てに存在感があるので、はっきりと世界が生み出されます。プロとはこういうものかと・・・心の中で大きな拍手を送っていました。
西山まりえさんとの記念写真を。
このような感じでした。
私のスタイリングは、かれこれ5年ほどお世話になっているスタイリスト中井綾子さん。レースのトップスとブルーのプリーツスカートはそれぞれIRENEとASTRAETというブランドのものですが、レースの細部の按配や袖口、それから市松模様のドレープは全て、手作りです。そしてさりげなく着物の時に使う組紐をウエストに巻いています。役柄のイメージ、能楽堂での動きのイメージ、全て綿密に話し合いながら、少しずつ完成させてくださいました。
メイクは青木理恵さん、撮影は渡邉 肇さんにお願いし、スペシャルな方々が支えてくださいました。
また、リハーサル風景なども載せられればと思います。
そしてあらためて。
いらしてくださった皆様、本当にありがとうございました!
平日のお昼間という時間帯にも関わらず、おかげさまで大盛況でした。
時間をやりくりしてくださったり、わざわざ遠方からお越し下さった方も。
心から感謝いたします。
幕間と終演後にはロビーにてサイン会をさせていただきました。
サイン会などやったことがなかったので、どうしたら良いものかと思いましたが、気がつけば長蛇の列。大勢の方がワクワクと並んでくださる姿を目にし、舞台を終えてホッとしたのと、こんなにも沢山の方が見守ってくださっていたのかという安心感とありがたさに、涙が出そうになりました。お手紙やプレゼントを用意してくださっていたり、『いきづかい』を持って並んでくださったり、はたまた『イノシシポストカード』を握りしめて並んでくださっていたり・・・。夢のようでした。
また、一気に10セットもカードをお買い上げくださった方がいらしたそうです!そんなにカードを使ってくださるのですか!?もしや年女さん?年男さんですか?ともかく、自分が心を集中させ想いを伝えようと取り組んだことに対して、それをしっかりと受け取ってくださる方が大勢いらっしゃること、本当にありがたく思います。
並んでくださったのに、時間がなくなってしまいご挨拶できなかった皆さま、申し訳ありませんでした。お気持ちはしっかり受け取っております。
華やかなお花を頂戴しました。
そして、宝塚の先輩、同期、後輩、友人もたくさん駆けつけてくれました。
左から涼華まやちゃん、高田衿奈ちゃん。二人は日本舞踊の名披露目の際に私をサポートしてくれたメンバーです。
てんやわんやで、お写真撮れなかった方も沢山・・・。
今回は学ぶことが本当に色々とありました。
一つの興行に対して、どれだけの人が関わっているのか、色々な意見を交わし合いながら、少しずつ進んでゆく過程。
演じ手として舞台に立つだけではなく、その裏の部分に触れられたことは、自分にとって大きな経験となりました。
支えてくださった皆様、ご指導くださった皆様に感謝します。
色々な役割をやっていると、背負いきれなくなりそうな時があります。
何もそこまであなたが負担しなくても。と言われることもあります。でも今の自分にとって必要だと思うから、やっているのです。
これからも一生勉強しながら生きてゆきたいと思います。
ただし、ほどほどに力を抜きながら・・。
ひとまず無事に終わってホッと。
ありがとうございました。
野々すみ花