Nonogatari

『食料フォーラム』終了。幸福な一日でした。

2018.10.01

東京は台風が凄い勢いで過ぎ去り、爪痕を残しつつも、快晴の10月1日。

交通機関に影響が出て、お越しいただけなかった方もいらっしゃるようで残念でしたが、なんとか無事、開催の運びとなりました。

 

これまで生きてきた人生をどう振り返っても、こんなに今日という日を迎えることが怖かったことはありませんでした。

何曲か歌を披露すること。人様の前で歌わせていただくなんて、何年ぶりだったでしょう。

役柄として舞台に立つのではなく、「野々すみ花」として舞台に立って自分の言葉で40分もお話しすること。こんなことは全くもって、初めての経験でした。
(今まで、トークショーなどの依頼は、全て丁重にお断りしていました・・)
宝塚時代にファンクラブに入ってくださっていた皆様とのお茶会でお話しすることはありましたけれど、それは私のドンクサイ人格まで全てをひっくるめて温かい目で見守ってくださる方々でしたから安心して臨めましたが、今回は、農業に従事していた方、農業に関わりのある方、私のことなど見たことないという方、様々な方の前に立たせていただくステージでしたから、本当にここ数日間の緊張といったら、ひどいものでした・・。

前日なんて、真っ暗の部屋の中でこの世の終わりのような顔でぼーっとしてしまっていたり、歌のレッスンになんとか通ったと思ったら「先生、まっすぐに立つのがしんどいです・・」と嘘みたいなことを平然と言って、椅子に座りながらレッスンしていただくという、醜態。先生からは「あなた、大変なことになっているわね・・」と、哀れみの目で慰めていただくという始末・・・(笑)

おかしな様子に見かねた旦那さんが、普段行くことがないようなとっておきのマッサージ屋さんまで送ってくれたり(お支払いは自分です)、焼肉に連れて行ってくれたりと、そんな優しさに八つ当たりを半分混ぜながらも感謝しつつ、それでも不安が残る中・・・

 

迎えた本番。

台風の影響でダイヤが乱れて混乱状態の電車の中、もみくちゃになりながらも、会場に着くとなぜか私の心は、すーーっと軽くなって行くのがわかりました。

 

いろんな理由があると思います。
自分を支えてくれる人達が、あたたかい優しさで包んでくださったこと。
制作の方、舞台スタッフの方、スタイリストさん、ヘアメイクさん、ピアニストさん、付き人さん、そして応援に駆けつけてくださったファンの方々、家族。

 

それから、目には見えないけれど、父の存在。

 

本番。子供の頃から現在に至るまでのことを色々とお話しする中で、農家の娘として父の背中を見ながら育ったことは、本当に大きなことで、自分の原点になっていたのだと再確認できました。
父は家族と数名のお弟子さんたちと共に農業を営んできましたが、将来は「畑の学校」を作りたいという大きな夢を持ったまま叶わなかったことは、私にとって大変な心残りでした。ですが今日、その想いを少しでも繋げることが出来たような気がして、終わったあとは、なんだか・・・ささやかな幸福感に満たされました。

 

もうこんな果てしない緊張と憂鬱を味わうのは、御免こうむりたいですが(笑)
どんな形であれ、今後も自分の出来る範囲で、日本の農業の未来に関わることが出来れば嬉しいなと、心から思いました。

 

 

それでは最後に、本日のステージの様子をお届けします。

 

大きなスクリーンに、子供時代の色々な思い出が詰まった写真が映し出されました。

お客様からの感想に、「たくさん映し出される写真にかなりインパクトがあった」そうです・・・(笑) 
自分ではよくわからないものです。

 

 

よく見ると、照明に花柄の影が見えるのです。
「すみれの花咲く頃」や「野に咲く花のように」という唄を歌わせていただいた時、歌いながらその影を発見して、まるで自分が花畑の中にいるように感じました。ありがたい、粋なおはからいでした。

 

 

客席をぐるっと回りながら歌わせていただきました。初めてお目にかかる方がほとんどでしたが、楽しそうに聴いてくださっているお姿があちらこちらに見えました。とても嬉しかったです。

 

 

 

お衣装は、花柄を意識しました。日本のブランドのもので、なんとなくシルエットが着物にも近くて、とても気に入っています。

 

あ。

 

ご報告が遅くなりました。

数日前、
髪の毛を切りました。

随分おもいきって切りましたが、この髪型のほうが見慣れているわという方も多いかもしれませんね。何を隠そう、ベリーベリーショートにしていた時代もありましたからね!
次に参加する作品に向けてのスタイルチェンジですが、今日の心持ちにも、ぴったりとフィットする髪型でした。

 

ステージを終えてしばらく放心状態が続いていましたが  (駅のホームで電車を10本くらい見送ったような覚えがあります・・)

おちおちしていられません!
次のお仕事に向けて、また気持ちを新たに全力を注ぎたいと思います。

 

 

それでは。
本日会場にお越し下さった皆さま、遠くから応援してくださった皆さま、本当にありがとうございました。
抽選に外れてしまって来られなかった皆さま、台風の影響で来られなかった皆さま、いつの日か、また・・・ご一緒に楽しい時間を過ごすことが出来ますように。

 

 

すみ花