『愛は愛に愛で愛を』
2016.09.08
このタイトル。
これだけで、ハッとなった。
私が密かに動向を追っている
ラブリさんの初の写真詩集タイトル。
『愛は愛に愛で愛を』
どういう意味でしょう。
わけがわからないままページをめくる。
沢山沢山、言葉があふれている。
その言葉をとらえられないのに、沁みてゆく。
その写真一枚で、彼女という人間の心を、心の中のものを、手渡されるよう。
以前、彼女をある時はスーパーマーケットで、ある時はカフェでお見かけしたことがある。同じ人にそう何度も出会うことなんて少ないのに。なのに。佇まいはとても神秘的で、誰にも捕まえられないような儚さを持っていながら、力強かった。惹き付けられた。
実は私は、以前から写真集をつくりたくて、あるカメラマンさんと一緒に、撮り続けていた時期があった。たくさんの瞬間が切り取られ、積もって行った。でもそれはパーソナルな作業だったから、少しずつ歪んでいって、方向がわからなくなった。
写真というフィルターを通すと、虚構は現実になり、現実は虚構になる気がした。
芸術とかアートと呼ばれるものは、とても鋭い力で私に向かってきた。
もっと愛というものが私の身体から湧き上がったら、また臨めるかもしれない。
そういう時がすぐそこに来たような気がする。
おくびょうな私を奮いたたせてくれた写真詩集
『愛は愛に愛で愛を』。
sumika