Nonogatari

2021年8月16日。

2021.08.16

 

こんにちは。

みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
どうかご自身や、ご家族の安全を第一にお過ごしくださいね。

ニュースを見ていると苦しくなってしまいますが、どんな毎日でも、少しでも楽しいこと、笑えることを考えたいですね。

私は、特別な予定はないのですが、さっき手足の指に明るい赤色のマニュキュアを塗ってみました。
足は時々華やかな色を塗ったりするので、まんまと気分良くなっていますが、手の指は100年ぶりかな!?という勢い・・・。ソワソワして自分じゃないみたいです。めちゃくちゃ恥ずかしい。たぶん明日には自爪に戻っていることでしょう(笑)

(全然綺麗に塗れていませんが、記念に!)

 

・・・という、前置きが長くなりました。

 

今日は京都では五山の送り火が行われるそうです。
見たいなぁと思うのですが、ここ数年は東京から想いを馳せているのみ。

毎年この日になると、ののがたりを書きたくなってしまいます。
たぶん、私にとってすごく大事な日なのだと思います。
上手にも書けないし、大したことも書けないけど、
そんな日に、今の自分の気持ちを残しておこうと思います。

 

今日で、父が旅立ってから10年が経ちました。
早いような気もするし、そうでもなかった気もします。

今までにない気持ちなのですが、今年はなんだか嬉しい気持ちがあります。なぜかというと、今すごく前向きな気持ちで「日本の農業」に関わることができているからです。

 

『2021夏スムージー』を8月2日にリリースを迎えることができました。

(沖縄県にて、島バナナの木の前で。)


おかげさまで沢山の方に気にかけていただき、一旦はSoldOutとなりましたが、先日また再販となりました。
先輩である春風弥里さんと一緒に立ち上げたオンラインショップで、今年で2年目を迎えました。このスムージーは、日本各地の有機栽培など、できるだけ自然な農法で作物を栽培している農家さんとタッグを組み、さまざまな果物や野菜を織り混ぜ、素材を瞬間冷凍したものを、お届けしています。
こうやって説明すると、へぇー。
というただの情報になってしまいますよね。

最近お仕事をご一緒した方から、「もちろんディレクションする人がいるんだよね?」と聞かれましたが・・・・いえ、いません。すべてみーさん(春風さん)と私で、責任を持って進行しています。
最初は、バナナって日本で栽培されているのかな!?無農薬のものってあるのかな!?という、ちんぷんかんぷんな状態からスタートし、ネットで調べ尽くして、「あったぞー!!!!!」という大発見に興奮して。町の役場にお電話して、この農家さんに連絡を取りたいのですが!とお伝えしても「あなたたちは一体誰ですか?」というお答え。そりゃそうだ。ということで、自分たちのやりたいことや自分たちの辿ってきた道、色々なことを必死でお伝えして、ようやく少しずつ繋がっていく。
そんなふうにして、本当に少しずつ物事が進んでいき、スムージーというプロダクトが出来上がっています。

 

ひとつのものができあがるまでに、本当に多くの人が関わることを知りました。
想像以上の大きなお金も動くことを知りました。出来うる限りの投資をしました。
台風や気候の関係で予定していた果物の数量が入荷できなかったり、自分たちにはどうしようもできないことでプロジェクトがストップしてしまうことも。いろんなハプニングやアクシデントが起こった時に、どう対処するのが良いのか、沢山学びました。

12軒の農家さん、生産者団体の方、加工業者さん、IT構築の会社さん、デザイナーさん、カメラマンさん、管理栄養士さん、美容家さん、ロジスティックス、パッケージ会社さん、SUMIREのメンバー・・・・などなど。
関わる方々と、肌感覚で触れるように、目を見て話すように、しっかり向き合って接することを心がけて来ました。自分たちの未熟さが申し訳なくて泣きたくなることも多かったし、悔しいことももちろんありました。でも、なにより、誠心誠意向き合おうとしてくださる方のお気持ちを受けて、その想いは絶対に繋いで行かねば!と思いました。自分たちが繋いで行くことが使命なんだと思うようになりました。

(沖縄県石垣島のパイナップル農家さんと)

 

 

人は一人では何もできないんだけど、正直に向き合うからこそ、誰かが振り向いてくれる。一緒に頑張ることができる。その気持ちの輪が広がっていくことで、そこに何かの想いが乗っていって、だから「もの」が動いていくんだ。ということを知りました。

俳優として役を演じる時と同じくらいの、壮大なドラマが、ものづくりには詰まっています。挑戦を重ねることで得られた経験がたくさんあります。
待っているだけでは得られなかった経験があります。



お手紙や、誰だかわからないインスタグラムのメッセージから、「ただただ舞台に立ったりドラマでお芝居している姿を観たいだけなのに・・・」という声が届くことがあります。声にはなっていないけど、そんな眼差しが突き刺さることもあります。期待してくださっていることをとても有り難く感じつつ、同時に落ち込んで、錘のようにその言葉が身体につきまとって・・・・自問自答します。

 

でも初心に戻って思い直すのです。
私は「野々すみ花を生きること」が人生での仕事だと。
野々すみ花というのは、宝塚歌劇団に入団したからこそ存在する名前。宝塚で学んで培ってきたことを、どう自分の人生に活かしていけるか。どうすれば人の役に立てるか。どうすれば世の中の役に立てるか。


私が目指しているのは、そういうことなんです。

 


急に父の話しになりますが・・・

京都で農業を営む者の一人として、父の言葉が十数ページに渡って掲載されている本があります。
まさか父がこんなに早くに死んでしまうと思っていなかったから、またいつでも聞いたらいいわ。と真剣に聞いていなかったこともあって、父が語っていたことを事細かに覚えていない・・・(ガーン!)・・なので、この本はとても役に立っていて、事あるごとに読み返しています。

この機会に私のお気に入りの箇所をご紹介させていただきたいです。
農の苦しみ、農の楽しみ」という項。
宝塚音楽学校に入るまでは私も毎日夕方から夜にかけて畑仕事をしていたので、農の苦しみはよくよくわかります。
夏は倒れそうに暑いし、冬は井戸水でカブラを洗ったりしていると寒すぎて全身麻痺して体が動かなくなるくらい!(音楽学校の規則は厳しくて、長期休暇が終わって欲しくないと言っている同期もいたけど、私は音楽学校は天国かと思っていたほど・・(笑)) 私にとって農作業はとにかく体力的・精神的にキツかった・・・。
父も、私なんかより沢山の苦しみを抱えていたと思いますが、それ以上に「楽しみ」をたくさん感じていたようで、今の私の救いになっています。

『京の旬〜食と農の達人をめざして〜』(昭和堂)より引用。
“農の楽しみ
これはもう楽しいです。毎日、自然を肌で感じることができます。五感が刺激されます。山の緑も見えます。愛宕山、比叡山、天王山といったように、周辺一帯の山が見えます。青い空にひばりが鳴いています。冬の刺すような寒さもすごく気持ちがいいです。寒風に身を切られると、生きているなという感じがします。
 もちろん、おいしい取れたての野菜を子どもに食べさせてやることができます。カブラの取れたてなんてたいへんおいしいです。何もつけなくていいぐらいです。おいしいものを食べさせると、子どもにも喜んでもらえます。世の中の人にも「上田さんの野菜はおいしいよ」といって喜んでもらえたら、本当にやりがいを感じます。


以上。(なんだか写経をしている気分になりました)
たいしたことは書かれていませんが、「一生百姓」として生きた父のありのままの言葉で、好きな文章です。

(父と妹と私。ビニールハウスにて。)



とてもシンプルなのだけど、人間の歓びって、そんなことだと思ったりします。
今回スムージーに携わってくださる12軒の農家さんも、「美味しいと言ってもらえることが一番嬉しい」とみなさん口を揃えて仰っていました。
だから私は、今回の『2021夏のスムージー』には、農家さんや作り手のみなさんに直接飲んでくださった方の声が届くような仕組みを絶対に作りたいと思って『くるくるつながレター』(どんなネーミングやねん!笑)というものを考えました。その中にはSUMIREメンバーのお知恵も沢山詰まっているんでよ!
ただメッセージを書き込んでハガキを投函するだけでなくて、ちょっと楽しくてちょっと可笑しくて、みんなの気持ちが旅をして、それがまたパワーになって繋がっていくような・・・・。そんな循環の輪がイメージできるようなハガキが、スムージーのBOXについてきます。

 

イメージはこんな感じです。

これは、何を隠そう私のヘッポコな絵なのですが(全部描くのに4時間くらいかかりました笑!)、公式サイトにも載せているので、よろしければご覧くださいネ。
ご購入もこちらからできます。↑



私は舞台を通して、応援してくださる方々から沢山のエールをいただいていました。それが本当にありがたくて、嬉しくて、生きる励みになっていました。もっと楽しんでもらいたいと、前向きな勇気をもらいました。仲間もみんなそういう想いがあったと思います。どんなお仕事にも、少しは通ずるところがあるように思いますが、いかがでしょうか?

「買い物は投票だ」という言葉を最近よく聞きます。もちろん私もそう思うし、もっと言えば、私は、その投票所の様子を、その熱気を、そのまま作り手のみなさんに実況中継して届けたい!・・・・ん?ちょっとよくわからないですね(汗)

私は、人の想いを、繋げる役目をしたいと思っています。

それはきっと綺麗事だけではおさまらないこともあるでしょう。
驚くほど泥臭くて、驚くほど地道なこともあるでしょう。そんなこともすべて含めて、生きているって素敵なことだと伝えたい。自分なりに表現したい。

この目で見る光景、この身体で経験することが、これからの俳優人生にきっと繋がっていくと思っています。なので「モノを売ったりなんかしなくていいから舞台を観たい。お芝居を観たい。」と思ってくださっているみなさん。どうか「野々は人生をかけて役作りに励んでいるんだ」と思っていただけると幸いです。

 


そうは言いつつも、本日から!!!!
放送が始まります。


NHKオーディオドラマ『1848』(全15回)
本日8月16日( 月)から。
平日の夜9時15分〜9時30分。毎日15分間のラジオドラマです。
詳細はこちら(NHK公式ホームページ)

【出演者】

真彩希帆 海宝直人 霧矢大夢 野々すみ花
石川禅 中河内雅貴 入野自由 石橋徹郎
桜咲彩花 山本郁子 水野ゆふ 大滝寛
清水明彦 井内勇希 梶原航 横山賀三
井手柚花

【作】

並木陽

【音楽】

日高哲英

【スタッフ】

演出:藤井靖
技術:大塚茂夫 林晃広
音響効果:太田岳二

【あらすじ】

舞台は19世紀半ば、ハンガリー。この騎馬民族を祖とする勇猛な国も東のオスマン帝国、次いで西のオーストリアのハプスブルク家の支配を受け、既に長い時が過ぎていた。大平原の只中に住む貴族の娘ユリシュカ(真彩希帆)は、昔話や歴史に材をとった物語を書くことを秘かな楽しみにしている。兄のカーロイ(海宝直人)は、若くして西欧に倣った先進的な農場経営を志す俊才。近代化に立ち遅れたハンガリーが抱える矛盾の中、やがて兄妹は1848年の革命の大きな渦に巻きこまれていく……。ユリシュカに色濃い影響を与えるカルニナリス夫人(霧矢大夢)、旅回り一座の女優マルギット(野々すみ花)ら、多彩な人間模様とともに織りなす歴史ロマン。

●収録リポートのコーナーでも特集していただいています。
https://www.nhk.or.jp/drama-blog/1360/452666.html

●インスタグラムでの投稿はこちらです。

 

 

こんなに長い文章を、最後まで読んでくださって本当にありがとうございました。
久しぶりにツラツラと思いの丈を綴ってしまいました。変化を恐れず、挑戦を恐れず、感謝を忘れず、これからも過ごして行きたいと思います。

みなさま、どうぞご自愛くださいね。

野々すみ花