Nonogatari

雨の降る日に。

2021.05.13

今日はナレーションのお仕事のために、赤坂へ出向きました。

思ったより早く終わったので、保育園のお迎えの時間まであと少し、日々の慌ただしくかき乱れた心をいったんリセットしたいと思って、今日のタスクを一旦とめて ( 明日、早起きを頑張るしかない)、近くにある「とらや茶寮」本店に入りました。

このお店の雰囲気が好きでよく訪れていますが、ひとりでゆっくり過ごすのは初めてのことです。

 

天井が高く、広々とした店内。
窓が開き、雨の匂いが入り込んでいます。
一人がけの席に座って
緑が濡れている景色を眺めながら、
新茶をゆっくり淹れました。
美しく整えられた茶器を手にとるのは
なんだか格別でした。

自然と背筋が伸びて、パソコンを開く仕草まで、なぜか両手でそろっと扱っている自分が可笑しいです。いつもは片手でパカっと適当に開けているのにねぇ。

ひとりの時間ってこんなにも贅沢なのですね。
お茶の味が、じわっと身体中に染み込みました。

何を書こうかと決めて「ののがたり」を書き始めたわけではないです。
そんなことも久しぶりで、とても清々しい気持ちになってきました。

書き進めてみてふと思ったことは
「ひとり」という言葉について。

家族や仲間と過ごしたり、仕事で関わる人と過ごすことがあまりにも多いと、その時の空気とか、やらなきゃいけないこととか、時間とか、目に見えない色々な波にさらわれて、あれ?本当は自分はどう思っているのだろう。何がしたいのだろう。どこに向かいたいのだろう。と、わからなくなる時があります。

ひとりの時間。

好きな音楽を聴いたり、本を読んだり、お茶を味わったり。
整った空間に身を置いたり、美術館に足を運んだり。

贅沢かもしれないけど、そんな時間を過ごすことって
自分の軸が戻ってくるような、とても大切な時間だとあらためて思いました。

この先、あと何年生きられるかわからない世界を自分がどのように過ごすかは、誰かが決めることじゃない。私が選んで、決めること。

当たり前のことなんだけど、その大きな選択に責任を持つのが怖いから、ついつい、人に委ねたり頼ったりしようとしてしまうんです。

思いっきり生きたい!なんて叫びながら
実は密かにへっぴり腰の私に、喝をいれてくれるのは
やっぱり自分だけ。

34歳。
まだまだ迷ってばかりですが、自分の考えや想いを大切にしようと思うのと同じくらい、家族や仲間の想いも、大切に大切に、感じていきたいと思いました。

今日はここまで。

みなさんが「ののがたり」をどのように受け取ってくださるのかが気になるところではありますが、ひとまず、ここは野々すみ花の中身を表現して良い場所だと信じて、個の人間の想いを綴ってみました。

何がどうなるかわからない日々です。
みなさんご自愛くださいね。

 

 

すみ花