Nonogatari

お久しぶりだす。

2015.12.28

 

気がつけば、新しい年がすぐそこに。

早いなぁ。早いなぁ。

 

みなさん、いかがお過ごしですか?

クリスマスには沢山の方からのカードやお便り、嬉しく頂戴しました。
なんでもない日に送ってくださるお便りも、本当に嬉しく受け取っています。
私のために時間を割いて想いを馳せてくださるなんて、はぁ幸せだなぁと、つくづく感じています。

聖なる夜は家族とゆっくり過ごすのもいいなと思っていましたが、その頃は関西でお仕事をしていました。それはそれで本望なのでとてもありがたかったです。
しかし、、しかしながら、、、
ここに書いてよいものかどうか迷いましたが、この不甲斐ない羞恥の事実は、自分への戒めとしても、ここに記しておこうかと。

怒濤の海外ロケから帰国して以降、いつもならすぐに治まるはずの「時差ボケ」が、「常時ボケ」みたいになっていて、急にからだが沸騰したり、落とし穴にはまった時たみたいに動けなくなったり、なんだかおかしいなぁと思っていた矢先。朝起きたら、わたしは宙に浮いているようで、音もなく重さもないからだになっていました。夢を見ているうちに声を夢の中に忘れて来てしまったようでした。そこにある空気とわたしがひとつになって溶けてしまうような、澄んだ風がからだの中を吹き抜けるような、静かな世界でした。おはようございますと言っても、声が、音が、自分の中から消えてしまって、喉になんの感覚もなくなって、ただ穴のあいた筒に、幽かな息が流れるだけで、見たことのない自分がそこにありました。なんの力もない、わたしというからだ。とても驚きました。
もっと驚いたこともありました。なにもかもの景色が鮮明に飛び込んで来たのです。進みつづける時間までが重さとして感じられるようでした。
 そんな感覚に呆気にとられたまま、写真撮影やインタビューを受けるお仕事が始まってしまいました。ここからは成す術もなく悶えつづける野々でした。多大なるご迷惑をおかけしてしまったのです。待ち遠しく楽しみに楽しみにしていた撮影でした。お仕事をする上でコミュニケーションがどれだけ大事なことか、痛感しました。
 その翌日はほんの少しだけ声がでるようになったものの『あさが来た』の撮影で、これはとんでもないことになってしまったと顔面蒼白で現場に入ったら、事情を知ったスタッフやキャストの皆さんが温かく迎えてくださり、楽屋に入ると、なんとのど飴が置いてありました。ほんとうに涙が出そうになりました。あとでわかったのですが、のど飴の神様は波瑠さんでした。おまけに早く治る方法などアドバイスをくださいました。この何ヶ月かの間に沢山の経験を積んだあさちゃんは、しなやかに強くたくましかったです。美和としても、私としても、みならいたいと思いました。スタッフさんにも「作品はみんなで力を合わせてつくって行くのだから、そんなに心配しなくて良いよ」と仰っていただきました。

 自分が弱くなってはじめて、まわりの方々の存在があってこそ自分が在るのだと気づいて、優しさを感じることができて、生きていることに感謝できました。今までもそう思っていたつもりだったけれど、やっぱりどこかで、うぬぼれていました。
これはきっと忘れてはいけない感覚だと思います。
今年のクリスマス、最高のプレゼントをもらいました。
ふと空を見上げるときれいなきれいな満月でした。38年ぶりのことだそうです。聖なる夜、次にこの光景を目にできるのは2034年だとか。

ほんとうに貴重な体験でした。

 

ちなみにどんどん回復していますので、どうかご心配なさらないでくださいね。
お医者さんいわく「風邪をだいぶこじらせましたねぇ」と。

 

あ、風邪だったのか。。

 

二度とないよう、心して気をつけます。

 

IMG_6151 2 京都ブライトンホテルにて。
素敵なホテルでした。

 

さて『あさが来た』年内の放送は26日が最後でした。
そんな節目の日に、美和は装い新たに登場いたしました!
新次郎様や五代様、沢山の殿方にお力添えいただいて「晴花亭」というレストランを開かせてもらいました。ファーストペンギンのあさちゃんに刺激を受けたことは間違いありません。殿方たちが気軽に集まれる社交場を目指して、広い視野で、先を見据え、はりきって参りますのでどうぞよろしくお願いいたします。着物や髪型などもどんどん新しいものを取り入れて行きますので、そちらもお楽しみいただけたら嬉しいです!

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裏話ですけれど、流行を先取りしながら且つ威厳と清潔感のある姿にするため、プロデューサー、監督、メイクや床山さんと皆で時間をかけて考えを出し合いながらつくって行きました。プロデューサーさんが「まず貴女が思うものをやってごらん」と私にチャンスを与えてくださったのがとても嬉しかったです。宝塚では、髪型や髪飾り、メイクまですべて自分でやらなければならなかったので、さんざん顔立ちに合うよう、時代や役柄に合うよう工夫はして来ました。「それをここで活かしなさい」と。結果、いろいろ「う〜ん却下!」となりましたが(笑)、少しは活かせたかと思います。
慣れないテレビの現場ではつい受け身の体勢になってしまっていたのですが、作品を良くして行くために、スタッフさんとコミュニケーションを取りながら、自分が責任を持って発言することは決して悪いことではないと。今回学ばせていただきました。

 

日々勉強です。

 

 

では、今日はこのあたりで。
いろいろお知らせもあるので、また「ののがたり」覗いてみてくださいね!

 

 

sumika